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国産国消につながる活動

「ふじのくに食の都仕事人」認定時、静岡県知事・川勝平太氏と会談

生産地×料理人×物流×消費者

スマートチョイスの提唱

生産物の値崩れを招く価格競争や、ブランド戦略による行きすぎた高値が横行していては、日本の産業や経済は先々衰退してしまうでしょう。 日本の各地が「生産地」と「消費地」の役割を認識し、生産方法や価値が正しく評価され、優れたコールドチェーンを活用すれば、日本は輸入に頼らず国内で自給自足できるほどの資源に恵まれているはずです。
しかしながら生産者の中には、移り変わる消費者のニーズやマーケットの動きを知る機会がない、せっかく素晴らしいものを生産しているのにその価値に気付いていない、売るための手法を知らないという方が少なくありません。 真っ当な生産者がつくり出す食産物の背景、環境、品質を、実際に見て、選んで、料理として提供している料理人だからこそ、正しく知って食を選ぶ「スマートチョイス」を消費者に伝える役割があるのではないか…。
そんな考えから、生産者と消費者、さらに物流をつなぎ、国産国消を進める活動に取り組んでいます。

山形の生産者から声が上がり、鶴岡、庄内などの食材をフレンチに取り入れてPR

本来の酪農を目指す中洞さんの農場を見学するツアーを毎年実施

活動内容

<レストラン「 HANZOYA」にて日本各地の食材をPR>

・2012年 岩手県野田村、滝沢市 被災地支援の食材PRイベント

・2014年 「静岡フェア」 静岡県と組みPRイベント

・2015年 「山形フェア」山形県鶴岡市、庄内市と組みPRイベント

・「ふじのくに食の都仕事人」に静岡県から認定

・2015年12月~2016年2月 HANZOYAにて「静岡フェア」 静岡県と組みPRイベント
※フレンチレストランとしては初めて助成金(ふるさと割)を適用

・青森県二戸市の酪農家をはじめ、各地のまっとうな生産者と食材の知られざる魅力を紹介する現地見学ツアーを実施中

生産者を自力で集め、行政に直談判

東日本大震災のボランティアで東北を訪れた際の出会いをきっかけに、産地と消費地を食べ物でつなぐという支援の形に着想。子供のころからなじみの深かった静岡県で生産者に直接声をかけ、自社のレストランHANZOYAで「静岡フェア」を実施。行政に協力をかけ合ったところ初めは「一企業と組むことはできない」と断られたが、自力で生産者を集め再交渉したことで、静岡県から後援名義が付いた。
翌年、今度は静岡県側から3ヶ月の開催依頼が入り、実施に至る。
さらに、「ふじのくに食の都仕事人」に静岡県から認定される。
そんな中、山形の生産者からも「山形にもおいしいものはたくさんある!」と声をかけられ、山形フェアが実現。

厳しい現実と闘う酪農家へのツアーを企画

東北を訪れた際、「大手メーカーに頼らざるを得ず、長い間単価が全く上がらない」という酪農家の厳しい現実を知る。
そんな中でも、乳牛飼育の環境を自然に近い形に整え、高いクオリティーを保ちながら、独自に牛乳を販売する中洞さんという生産者に出会う。
「その価値を消費者に伝えるのが料理人である自分の役目である」と感じ、消費地・横浜にあるHANZOYAの顧客を連れて、牧場見学と生産者の心意気や生き様を学ぶグリーンツーリズムを企画、毎年実施中。

食のフレキシビリティにつながる活動

様々なハンディキャップを持つ方々のお食事会では、嚥下食だけでなく、管理栄養士に指導を依頼し、透析食にも対応

医療×化学技術×フレンチ×様々なハンディキャップ

個々に対して柔軟(フレキシブル)に対応する環境づくり

デコボコや障害をなくすことを「バリアフリー」と呼びますが、設備として段差をゼロにしたり、身体的なハンディや各々の違いを物理的に完全になくすのは不可能です。各々の違いやデコボコ、つまりバリアはあって当たり前。なので、あえてバリアフリーとは言いません。
むしろ、バリアという垣根を作っているのは、私たちの心。
もしデコボコの中で、不便なことがあれば、周囲の人のちょっとしたお手伝いで助かったり、思い込みによる過度な遠慮やお節介がかえって壁を作ってしまったり。ハンディはバリアではなく「個性」として知り、接することで、おのずと垣根は取れ、ハンディを持つ人の窮屈な思いを減らせます。
何もかもフラットに均一化でバリアをなくすだけではなく、様々な人の「個性」に柔軟に対応できる食事と環境を目指しています。


被災地支援をきっかけにつながった医師の皆さんと、
嚥下食開発チームを発足

活動内容

・2013年より 鶴見大学ボランティアチーム「 Yokohamaで学びーば」の歯科医やイーエヌ大塚製薬「あいーと」事業部とタッグを組み、摂食嚥下障害食の開発スタート

・「第3回嚥下食メニューコンテスト2015」(日本医療福祉セントラルキッチン協会主催)入賞

・2016年より HANZOYAにて嚥下食メニューを提供開始

・2017年より 「三鷹の嚥下と栄養を考える会」に参加、フレンチシェフの見識からアドバイスやセミナー講師

・2017年 嚥下フレンチを「スラージュ」と命名、新作メニューを医療関係者や介護従事者に発表。HANZOYAでも提供中

・サービス面でも心理的な垣根をなくし、適切な対応を目指し、専門家や様々な障害を持つ方と共に勉強会を実施中

飲み込みや咀嚼(そしゃく)といった嚥下(えんげ)機能の段階に合わせて、とろみなどを調整する嚥下食。チームで研究を重ね、特殊な技術で食物の繊維は潰さない上に、健常者が食べても違和感のないおいしさを実現

歯科医との出会いから嚥下食の開発へ

被災地支援の活動の中、鶴見大学のボランティアチーム「 Yokohamaで学びーば」の歯科医と出会い、口腔ケアの経験から「フランス料理は嚥下食に適している」との話を聞く。
その後、あるときイーエヌ大塚製薬「あいーと」事業部と知り合い、「酵素均質含浸法」という食品の冷凍加工技術を知る。「あいーと」の技術は、酵素独特の苦みがなく、お肉も驚くほど柔らかくできる。これをHANZOYAのシェフたちに伝えたところ、一人が「やりたい!」と興味を持ってくれたことがきっかけになり、フレンチの嚥下食を共同開発することに。
実際に、訪問診療の医師と共に、老人ホームや在宅療養を訪れ、嚥下が困難な方々の食事の場に接し、食事面の問題や緊急時の対応など、現場に即した安全面も学んだ。
更に、老人だけでなく、子どもや若い人で嚥下が不自由な方々にも楽しんでもらえる食事と食環境も課題に掲げ、専門家と勉強中。

現在HANZOYAにて、一人一人の嚥下機能に合わせて作る「ムニュ・スラージュ」のコースと、「フェリシテ」(柔らかいケーキ)提供中。場合により、医師の判断や同席、管理栄養士のサポートなど専門家との連携も構築

嚥下食にフレンチのノウハウと文化をつなぎ、
「スラージュ」が誕生

これまでの介護食や嚥下食は、安全性や栄養面には配慮されているものの、どうしても「味気がない」「飽きてしまう」印象。食事は単なる栄養素の摂取ではなく、「香り」「見た目」などが心をも元気にする、そんな役目にフレンチの技法が活かせることを実感。
ムース、ピュレ、ジュレなどのフレンチならではの調理法は、摂食嚥下調整食に適しており、”キザミ食”を超えた香りと味わいが可能な上に、彩り豊かな盛り付けや香り、音など、美しさを大切にするフレンチの文化で、「五感で楽しめる嚥下食」を実現。
これは嚥下食として特別視するのではなく、フランス料理の延長線として、健常者も誰もがおいしく楽しめる食事、という考えから、「スラージュ」と命名。安全性や栄養面に配慮するだけでなく、フレンチが持つ美の感性と技法によって生まれた「スラージュ」の魅力は、まさしく「アート&サイエンス」。
これからの介護食の在り方に一石を投じ、家族や友人と皆と同じ場所で同じ食事を楽しめる、という食環境の実現の一つとなっている。

スラージュの特徴

横浜美食都市につながる活動

2016年「tvk 秋じゃないけど収穫祭」に出店

横浜×食×各地生産地×食のフレキシビリティ

食の在り方を横浜から発信・実践

横浜に行けば、全国のウマいものを安心して快適に食べられる。横浜をそんな街にしたい。
ツナギスト・加藤の生まれ育った横浜、お客様と直に接するレストランを持つこの地域で、「国産国消」の考え方や、「食のフレキシビリティ」を訴え、実践しています。
食事のおいしさや安全だけでなく、どんな方でも窮屈な思いをせずに楽しめる環境を横浜という地域でつくるべく、横浜地域の業種を超えた有志の仲間とネットワークを構築し、地域全体としてサービスの質の向上と意識の改革にもつながるよう、と勉強会やセミナーも定期的に開いています。

フレキシブルな対応は、「知ること」から。体験型の勉強会やセミナーを継続的に実施

活動内容

・2014年より「Yokohama レストランミーティング」(横浜のレストラン組織)構築

・2015年より 「横浜ウェイターズレース」理事

・ハンドメイドの食産物や食品づくりにこだわる横浜の生産者や販売店を紹介する
「横浜食の道ツナギMAP」制作中

・2017年より 「食のフレキシビリティセミナー」定期的に開催 

一店舗、一企業ごと門戸を叩き仲間を増やす

だまっていても観光客が押し寄せる横浜。そこに安寧としていては、横浜の食業界に未来はないと感じ、「一緒に横浜を変えて行こう」と、
レストランをはじめとした横浜の店舗や企業を一軒一軒口説きに回る。その数64軒。電話やメールを含めると、160軒を超える声かけを行なった。
多くの店舗・企業が賛同し、「Yokohama レストランミーティング」を発足。さまざまな勉強会、生産者を招いての試食会などを催す。
2016年にテレビ神奈川「tvk 秋じゃないけど収穫祭」にブースを出展。各店のコラボレーションによるオリジナルレシピのホットドッグを提供し話題に。

「味」は感性で決まるからこそ、接客の質向上を目指す

味覚だけのおいしさなら、化学的・機械的に作ることはできる。実際、流通する食品の半数近くは生産が機械化された工業製品である。味だけに特化すれば、そこに「職人」の存在は必要ない。
しかし、本来「味」とは感性で味わうもの。自販機で買うのと、人の手によって出されたものは感じ方が違うはず。料理人のみならず、サービスマンも機械に劣らないスキルを発揮し、数値に換算できない、機械では作れない価値を消費者に伝えることが大切…と考え、サービスマンの質向上に着目。
まずは横浜から変えようと、横浜のホテル・レストランのサービスマンが参加する「横浜ウェイターズレース」に参画。

未来への食の道徳につながる活動

子ども向けには、体や心で「食」を知り、感じてもらう授業を

食×学び×子供たち×被災地

食は栄養素だけでなく、心もつくる

おいしい・まずい、高い・安いでもない、どんな環境でどのように作られて、どのように売られているのかという「食の本質」を知り、正しく食べ物を選ぶ心を養う「食の道徳」を子供たちに伝えています。食という身近なテーマを通じて、生き方や心の在り方までつなげて考えてもらうことが、日本の未来には大切だとして、イベントや講演活動を実施中。
東日本大震災の被災地へも赴き、食の支援や、被災した子どもたちを修学旅行として横浜に招待するなど、未来の担い手たちへのサポートも積極的に行っています。
また、これから超高齢化社会を迎える日本にとって、「食のフレキシビリティ」の更なる必要性を感じ、プロの料理人を目指す調理師の卵たちが、その概念や価値、介護食や嚥下食(スラージュ)を学び、従事できるような働きかけも始めています。

活動内容

●講演活動

・キッズ向け 味覚の授業 「 Le Semaine du Gôut au Japon」 講師

・横浜市立大豆戸小学校 保護者向け 食育授業講師

・町田調理師専門学校 現代調理理論 講義

・学校法人堀井学園 翠陵高等学校
「歴史 文化 人体 多方から見た 食べる学」講義

・神奈川大学人間科学人間科学科2014年 講義

・ヨコハマ・マネジャーズ・セミナー(YMS)第48回 講師

・社団法人小田原青年会議所 講義

・榎本学園・町田調理師専門学校で、嚥下食を学ぶカリキュラムの導入を推進させ、講師を務める。

●被災地支援活動

・2011年 東北支援任意団体として炊き出し、泥の掻き出しボランティア活動

・一般社団法人LIGHT UP NIPPONで、東北の食材を使った風評払拭イベント「東北食べNight」実施

・鶴見大学ボランティアチーム「 Yokohamaで学びーば」と組み、
東北の小学校(7校)を修学旅行へ招待

・高校生の就職支援活動(福島県郡山市・気仙沼市)合同企業説明会の開催

東日本大震災ではHANZOYAスタッフと炊き出し

被災地での出会いから、いくつもの道がつながる

被災地のボランティアで訪れた気仙沼で、地域の小学校が修学旅行に行けなくなった事実を知り、大谷小学校の校長先生に支援を名乗り出る。
これをきっかけに、同じく支援を表明した鶴見大学ボランティアチーム「 Yokohamaで学びーば」の皆さんや、開業医の先生らと共に、東北の小学校7校を横浜への修学旅行に招待することが実現した。
さらにこのご縁から、嚥下食の共同開発がスタート(前述)。
「静岡フェア」などの国産国消活動も被災地ボランティアでの出会いが元であり、志を同じくする人々との活動がさまざまにつながっている。

料理人の卵たちには、技術だけでなく食を担う仕事の心がまえもレクチャー

料理人の観点で「スラージュ」を実習するカリキュラムを導入

母校の榎本学園・町田調理師専門学校の恩師から、2016年春、同窓OBの学友会の初代会長役を頼まれる。毎年、同校で実習講義を行っているご縁もあり、会長を引き受けることに。そして、これを機に、スラージュのカリキュラムの導入を交渉。
同校では、嚥下・介護食の基礎的座学はあるものの、料理のテクスチャーとして嚥下食を実習する科目はないと聞き、「今の時代に確実に必要になってきている」ことや、「将来のコックたちが、フランス料理と嚥下食が限りなく近いことを知ることは、彼らの仕事にも有益である」ことを説得したところ、まずは特別授業としての導入に至った。栄養学や医学とは異なる調理師(料理)の観点からスラージュを学ぶ必要性を訴え、調理師の意識普及を目指す。