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私は、シェフという仕事をとおして、日本のすばらしい食材だけでなく、
隠れたパワーをたくさん発見してきました。同時に、疑問を感じたり、危機感も抱くようにもなりました。
カギは、一人一人のちょっとした「心がけ」と「選び方」、
つまり「スマートチョイス」。
「スマートチョイス」がつながることで、日本全体がもっと元気で豊かになるはずです。

このままでは危ない! もったいない日本

安くて便利はラクだけど、その価格のワケ、
気にしてみたことありますか?

安くて腐らない。いつでもどこでも。 そんな便利さと安さの過当競争は、生産者の買い叩きを生んでいます。
海外からの、添加物だらけの安い生産物の輸入に頼りすぎ、日本国内の優良な生産物が正当な評価(報酬)を受けられない現状があります。
目先の利益(安さ)優先は、日本の誠実な食産地を苦しめ、生産物をつぶし、やがて日本の生産能力を落としてしまいます。
苦しい産地は、生産物を高く買ってくれる海外に輸出し、日本の私たちが日本の良質なものを手に入れられない結果も生んでしまいます。
豊かな日本の食材や産地を、日本人自ら疲弊させ、未来を食いつぶしている現状があるのです。

産地やブランドに惑わされていませんか?

「安さ」を求める一方で、有名なブランド的産地が書いてあると、なんとなく高級だと思い込んで、高価でも疑わない人も多いのでは?
ひと頃、レストランでのメニューの産地偽装が問題になりましたが、品質の違いも見分けらずに、単なる「ブランド」に飛びつく人が多いために、商売に悪用されてしまった結果です。五感ではなく「脳」で食べていませんか?
高価だけが良いとか、高級ブランドだけが絶対ではありません。価格やブランドに惑わされず、私たちは「自分にとって大切な品質」と、そこにかかる「コストの必要性」を知り、「私なりの価値」を持つことが大事です。

不安定ないびつさを受け入れていますか?

食材には旬があり、本来、形もいびつだし、天候に左右される不安定なもの。
でも今や、均一で安定的な供給が当たり前になっています。味には問題ないのに、サイズや形がほんの少し規格外なだけで売り物にならないシステムや、「売り切れ」を避けるために過剰に在庫を抱えた挙句に破棄する小売店には疑問です。 日本人の過剰な完璧主義が、莫大な食品ロスを生み、そのロス分まで乗せた価格で私たちは買っています。
いびつは当たり前で、いつでも同じものを求めない。
そんな私たちの姿勢が、生産者を助け、フェアな価格にもつながります。

国産国消で、ジャパンクオリティの力を活かし、地方力てる

地方は食産地、都市部は消費地、
各々の役割と能力を活用

「地産地消」は、地域単位の狭い範囲で捉えられがちですが、これでは限界。多くの食産地は人口が少ないため消費量が少なく生産者の採算は取れないし、逆に大都市圏では食産地が足りず現実的ではありません。
狭い地域内での生産・消費ではなく、国単位での「国産国消」に概念を捉え直すべきだと思います。人口の多い都市部は消費地として、日本各地の食産物を消費するほうが、食産地にもスケールメリットと採算性をもたらすでしょう。
各土地の特性・役割と能力を活かし合うほうが、日本全体の食産地を助け、産地能力のアップにつながります。

世界一の「コールドチェーン」が味を作る

食材が私たちの口に入るまでに、生産地からどのように運ばれてくるのか想像してみてください。味を作るのは、生産者と料理人だけではありません。 実は食材を運ぶ「物流」の力が大きく影響しています。 例えばタケノコのように、あまりに旬が短いためにその土地でしか真のおいしさを味わえない食材もありますが、その他のほとんどの食材は日本全国ですぐに手に入ります。
荷崩れしないように、傷がつかないように、鮮度と品質を保ち、時間通り確実に。それは当たり前ではない「奇跡」。 世界に類を見ない日本の「コールドチェーン」のすばらしい技術力があってこそ、私たちの口においしい食事が届けられているのです。この物流力は国産国消を支える、まさに縁の下の力持ちです。

フードマイレージの考え方には
矛盾と限界がある

食料(food)の輸送距離(mileage)に伴って排出される二酸化炭素の環境への負荷に着目したことは、エコの観点からは正しいでしょう。しかしながら、地元産の葉菜類の多くは、鮮度保持用ビニールには入れずに販売されますが、各産地から運ばれてくる葉菜類は、鮮度保持用ビニールに入れて販売されます。そのため、実は遠方からの葉菜類の方が鮮度が保たれ、品物が良い場合が多いのも事実です。
また、前述したように「地元・近場」にこだわることは、大都市にとっても、地方の食産地にとっても、非合理的で経済的メリットも小さいですし、日本には速くて確実な物流インフラが整っています。
鮮度や日本全体活性化の視点から見れば、近場にこだわるのではなく、運送費や鮮度保持用の経費分は多少かかっても、良い品質をより多く循環させるほうがベターです。

フェアな価値を選ぶ「スマートチョイス」が
私たちの心身と日本の未来を救う

食に限らず、良質なものには多少のコストがかかります。 安価が悪、高価が高級ということではなく、フェアな対価を払うことが、お互いをハッピーにし、成長させます。価値をきちんと知って消費することで、誠実な生産者や料理人が正当な評価を受け、市場の競争も良化されれば、安かろう悪かろうが淘汰され、良質な生産者や食産物が成長し、私たちに還元されます。
私たちの心身を作る「食」、その食を作る日本の力と価値をもっと大切にしてほしいと思います。

国産国消は三位一体で好作用サイクル!

日本の産地能力の向上によって、 (売り手良し)、
消費者(私たち)に良質で豊富な食材・食事が還元され、 (買い手良し)、
日本全体の経済力も活性化。 (世間良し)
フェアな価値の「スマートチョイス」が、日本の未来を元気にする!(未来良し)